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メールニュース 2023.05

2023/05/25 みちのくトレイルクラブ
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こんにちは。

NPO法人みちのくトレイルクラブの板谷です。
こちら名取市閖上では、田圃に水が張られて田植えがされて、一面が湖のようになって空の色が水田に反映されて、美しい景色が楽しめる季節を迎えています。
みちのく潮風トレイルのあちこちで、ハイカーはこんな風景に出会っているのだろうなあ、とみちのくトレイルクラブの職員一同、わくわくしている今日この頃です。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

新型コロナ感染症への対策、対応が緩和されつつあった久しぶりのGWということもあり、5月は国内外からたくさんのハイカーの皆さんがみちのく潮風トレイル 名取トレイルセンターに来館されました。

そんなハイカーの皆さんから旅の様子をお聴きするのが、とても楽しい5月でした。

6月もたくさんのハイカーの皆さんと出会えることを楽しみにしつつ、今月もメールニュースをお送りします。読み応えがある(つまり少し長い)記事もありますので、お楽しみに。

それでは今月のメールニュース、スタートします。

目次

トレイルから|ON THE TRAIL
・イギリス人記者James Clark氏、みちのく潮風トレイル撮影の旅
・東松島市セクション歩いてきました

ハイカーたち|HIKERS
・GWにハイカーさんたちが続々来館!

センターから|FROM NATORI TRAIL CENTER
・ハイカートークの開催報告と開催案内

イベント情報|EVENT INFORMAITON
・みちのく潮風トレイル開通5周年プレイベント
・サテライトイベント情報

トレイルから|ON THE TRAIL

イギリス人記者James Clark氏、みちのく潮風トレイル撮影の旅 〜「みちのく潮風トレイルの応援がしたいんだ」〜

2019年にみちのく潮風トレイルを取材にきたJames Clarkは、イギリスに帰ってすぐ、MCTの映画を作るためのクラウドファンディングを立ち上げた。2019年の滞在はわずか1週間。MCTの地域連絡会(年に2回開催される、全線6つのブロックに分かれた会議)行脚に同行しながら、MCT各所を訪ね歩き、多くの人々との交流を重ねた。その時取材された内容は、後日ロンリープラネット初め5つほどのイギリスの媒体に掲載され、MCTの知名度をイギリスで引き上げてくれた。

撮影は当初、2020年の春から予定されていたが、2020年春以降のコロナウィルス感染拡大の影響で、Jamesは日本に来ることができなかった。今年も無理だね、とSNSでのやり取りが続いていた。

待ちに待ったJamesの来日は2023年4月21日。実に3年間動くことができなかったにもかかわらず、彼は3年間待ち続け、日本にやってきた。Jamesは記者だから、映像は撮ることはできない。一緒にやってきたのは、RobertMcKane。若手映像作家で、MCTの撮影をするためにJamesが探し出した新進気鋭の作家だ。来日経験はあるものの、日本のゴールデンルートしか知らず東北は初めて。日本が好きで今度は日本の原風景が残る場所を訪れたいと思っていたそうだ。

撮影は4月22日、名取トレイルセンターからスタート。センター撮影後、ひとまず北上川まで北上し、最初の撮影は北上川沿い、釣石神社境内にある「から揚げこっこ屋」さん。MCTハイカーなら知っている人気のから揚げ屋さんだ。到着すると、みちのくトレイルクラブのスルーハイク研修中の柳田がお弁当を食べていた。地域の人、ハイカーもインタビューし撮影したいというリクエストを事前にもらっていたけれど、ハイカーは偶然出会うしかない。何たる偶然!と喜び勇んで、こっこ屋のお母さんのインタビューとハイカー柳田のインタビューを録ることに成功。その後、大川小学校、長面浦、雄勝へ。雄勝では、みちのく潮風トレイルを歩き、東北沿岸に移住を決めた地現葉子さんが始めた小さな民宿、「m.s.s. books」へ。小さな民家が居心地の良い宿になっていた。子猫が走り回る中、なぜ移住を決めたのかなど話を聞かせてもらった。

こうして地域の人、偶然出会ったハイカーらに話を聞かせてもらいながら、5月1日までの10日間、八戸から名取までのトレイルルートを撮影して歩いた。市長、民宿の人、旅館の人、ビジターセンターの人、船長さん、事業者さんなど、みちのく潮風トレイルに直接的、間接的に日々協力してくれているたくさんの皆さんのお話を聞かせていただく機会は、自分にとってもとてもありがたいもの。「みんなで育てる道」であるみちのく潮風トレイルに、関わってくれている人の数はもはや数え切れない。偶然出会ったハイカーたち、見かけたけれど言葉を交わしただけ、または遠くから手を振っただけのハイカーもたくさんいた。10日間ではとてもドキュメンタリー映画の撮影は無理だと承知していたけれど、改めて痛感した。ドキュメンタリー映画の楽しくも恐ろしいところでもある。

次の来日は10月31日。11月1日から12日まで、今度はMCT中部から福島まで撮影する予定。

「みちのく潮風トレイルの応援がしたいんだ。できることは何でもしたいよ」と言ってくれたJamesには感謝しかない。こうして応援してくれる人が、地域に、日本中に、世界中に増えていくことで、MCTは少しずつ成長していけるのだと思う。

Jamesは、Robbieが何を感じたかをずっと気にしていたようだった。最後の最後に訪れた「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」では、熊谷副館長の案内で施設を巡ることができた。それまでも、インタビューの中で震災については多く触れられていたけれど、美しい景色と美味しい食事、親切で朗らかな人々との交流を楽しみ歩いてきた後に訪れる震災遺構は、その場にバスで出かけるのとは異なる印象を与える。

5kgもあるカメラを携えて海沿いを歩き、峠を超えた彼のカメラにはMCTの何が切り取られているのだろう。東日本大震災で世界に知られることになった東北沿岸が本来持つ魅力を伝えたいと話してくれていたRobbieが、春と秋の2回の撮影を経て、どんな物語を紡ぐのか、今から楽しみにしたい。

園児の撮影風景
あいにくの雨も

※今回撮影時の渡航費は、(株)日本航空東北支社様にご協賛いただきました。ありがとうございました。

記事担当 相澤久美

東松島市セクション歩いてきました

こんにちは。NPO法人みちのくトレイルクラブ新人の岡海咲(おか みさき)です。

みちのくトレイルクラブは、半年に一度、各市町村の職員の方と環境省の方と一緒に、11市町にまたがる管轄区間ルートの巡視を行っています。

今回は東松島市のセクションを歩いてきました!私は女川町出身ですが、東松島市といえば、ブルーインパルスが有名で夏には航空祭で賑わっているというイメージです。実際に東松島市を歩いてみて、間近で見るブルーインパルスの迫力や、野蒜海岸の広大さなど色々な魅力を発見することができました。東松島の海を間近で見て、夏には海水浴をしに来たいなと思いました。海沿いの道は海風が心地よく、とても気持ちのいい道が広がっていました。

私はまだ歩き慣れておらず、舗装路歩きでお昼頃には足が痛くなってしまいました。9月からはトレイルクラブ恒例の「みちのく潮風トレイル新人スルーハイク研修」をする予定なので、これから特訓していきたいと思います。

記事担当 岡海咲

ハイカーたち|HIKERS

GWにハイカーさんが続々来館!

4月末から5月末にかけて来館されたハイカーの皆さまを一挙に公開してみました。

最近では、公式インスタグラム【本日のハイカーさん】にご自分が載るのを楽しみにしてくださるハイカーさんもいる、という嬉しい話を聞きました。

インスタグラムのプロフィール画面が最近まっ茶色になっているのが悩ましくもありますが、これからもたくさんのハイカーさんが来館されることを楽しみにしています。

記事担当:板谷学

センターから|FROM NATORI TRAIL CENTER

ハイカートークの開催報告と開催案内

今月の「From Natori TC」では、先月のメールニュースでもお伝えした、5月20日(土)に開催した「ハイカートーク」第二弾、PCTオレゴン・ワシントン編についてご報告したいと思います。

たくさんの方にお集まりいただきました

第二回目がブラッシュアップされていたかは甚だ疑問ではありますが、当日ご参加いただいた30人の皆さまの暖かい視線に勇気付けられながら、ワシントン州の自分のゴールまでなんとか話を持っていく事が出来ました。

「ハイカートーク」を今回から土曜日開催にしたのにはふたつの企みがありました。

ひとつは、トークイベント後に野営場でテン泊して懇親会を開催したいということ。

もうひとつは、懇親会のメンバーにも参加してもらって、毎月ボランティアの方たちと行っている名取市セクションのトレイル清掃活動をみんなでしたいというふたつです。

果たして懇親会や清掃活動にも参加してくれる方がいるのか?とドキドキしましたが、結果的に、懇親会には8名の方が参加、翌朝の清掃活動にも多くの方が参加してくれました。

清掃活動にも多くの方にご参加いただきました

夜の野営場でのハイカー同士の語らい、そして翌朝のグリーンメンバー、整備ボランティアの方を含めての清掃活動。名取トレイルセンターをベースとして、みちのく潮風トレイルハイカー同士の交流がいろいろと生まれてきているのは、なんだかとても嬉しいことです。

ハイカートーク後のこの流れは、今後も継続して開催していきたいと考えています。

第三弾は7月15日(土)、みちのくトレイルクラブ事務局次長、晴山による「みちのく潮風トレイル編」。昨年春にみちのく潮風トレイルをスルーハイクした晴山が、初めてのロングトレイル、初めての1,000km超の歩き旅について語ります。

詳しくはこちら
7月15日は三連休の初日でもあります。土曜日を名取トレイルセンターで過ごして、日曜日、月曜日をみちのく潮風トレイルハイキング、というスケジュールを組んでみてはいかがでしょうか。

尚、この回の清掃活動は閖上の皆さんが行っている地域清掃活動に合同参加することを予定しています。皆さまのご参加をお待ちしています。

記事担当:板谷学

イベント情報|EVENT INFORMATION

みちのく潮風トレイル開通5周年プレイベント

2019年6月9日、みちのく潮風トレイルは全線開通しました。今年は、みちのく潮風トレイル全線開通5周年に向けたキックオフイベントを開催します。来年は改めて5周年を祝うイベントが予定されています。来年に向けて、みちのく潮風トレイルをみんなで盛り上げていきましょう。ぜひお出掛けください。

日時:6月24日(土)15:00〜17:30

場所:名取市市民文化会館 中ホール

内容:

第1部:式典

第2部-1:みちのく潮風トレイルの紹介〜地域の人、ハイカーらと共に
第2部-2:みちのく潮風トレイルミニ講演〜お世話になっている皆様と

※参加費:無料|申込制

※詳細については後日改めてお知らせいたします。

写真は全線開通時の式典での様子です

サテライトイベント情報

浄土ヶ浜ビジターイベント情報

「Sunrise Trail〜本州最東端「魹ヶ崎」トレッキング〜」が開催されます。
本州一、そしてMCT全線でも一番早く日が昇る「魹ヶ崎」(とどがさき)で、一緒に日の出を見ることが出来るハイキングイベントです。

集合場所の姉吉キャンプ場が4月より宿泊可能となりました。キャンプ場での前泊可能です。参加された方には「本州最東端訪問証明書」をお渡しします。

6月1日現在、若干空きがあるそうですので、この機会にぜひご参加ください。

開催日:6月11日(日)AM2:00〜AM6:00 (悪天候時は翌週開催)

集合:岩手県宮古市重茂地区 姉吉キャンプ場(AM1:30より受付開始)

定員:20名

参加料:500円(保険料)

お問い合わせ:0193-65-1690(浄土ヶ浜ビジターセンター)

こちらからもお申し込みいただけます

その他にも、名取トレイルセンターでは様々なイベントを開催しています。

みちのくトレイルクラブHP「イベント情報」で告知していきますので、今後もお楽しみにしていてください。

編集後記

今月号も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

皆さまにとって、どんな5月だったでしょうか。

5月の出来事と言えば、私は人生初のトレイルマジックを試みてみました。

PCTを歩いていた時にたくさんお世話になったトレイルエンジェルに憧れて、日本に帰ったら自分でもやってみたいと思って、GW期間中の休みを利用して2日間やってみました。

岩沼市ルートに車を停めて歩いて来るハイカーを待ち受けて、一日目は残念ながら一人も通らなかったのですが、二日目は四組のハイカーに出会う事が出来ました。

やってみての感想は、トレイルマジックは、もしかしたらハイカー以上に提供する側のこちらの方が楽しませてもらっているかもしれないってことでした。
ハイカーが喜ぶ顔を想像しながらの買い出しから始まり、待ち受けている時のワクワク感、出会えた時の喜び、そして喜んでくれる顔を見ての嬉しい気持ち。

まだまだハイカーに出会う確率は低いですが、また折りを見てやってみたいと思っています。皆さんが歩いている時に、ばったり出会えることを楽しみにしています。

Happy Trails!

著者 : みちのくトレイルクラブ

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