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スルーハイキング

スルーハイキングまたはスルーハイクと言う。長距離トレイルを歩くハイカーにとっては一種独特な響きを持った言葉かもしれない。 このことを一言で表すのは難しい。本来は、宿泊道具を携行し、ひとつのトレイルを一気に歩き通すことを言う。日本語で言うところの「踏破」であり、「端から端へのハイキング」だ。一気に通しで歩くことを目的としているので、セクションハイキングで何回かに分けて繋げることはスルーハイキングとは言わないということだ。そして、スルーハイキングしたハイカーのことをスルーハイカーと呼ぶ。あくまでこれが原則である。
ところが実際には、ハイカーたちはこの言葉をかなり気軽に使っている。スルーハイキングを志した時から使いだし、スルーハイキング中にも使うし、スルーハイキングを終えたハイカーに対しても使うのだ。現実のスルーハイカーたちにとって、スルーハイキングは、結果ではなく、途中経過を含めた「歩き通す目標や行為」をスルーハイキングと呼ぶことのほうが多いのだ。
「端から端」は理想であるがそれは人それぞれ。自分で決めた「端から端」を歩けばそれもスルーハイキングになるし、途中で抜けてしまっても離脱地点まではスルーハイキングしたことになるのだ。だから、一気に歩いたハイカーはもちろん、リタイアを余儀なくされたハイカーも、迂回路を歩いたハイカーも、自ら別の道を選んだハイカーも、セクションで何度も通って歩くハイカーも「全線を歩く目標」を持つハイカーは全てスルーハイキングをしていることになるし、スルーハイカーと呼ばれるのだ。
とても響きのいい言葉なので、そこにはついロマンを求めたくなるのだが、「踏破としてのスルーハイキング」「踏破者としてのスルーハイカー」は原則論でのことであり、実践者のハイカーにとってはただの説明しやすい言葉でしかないということだ。
そもそもハイキングは競争ではない。誰かと比べるものでもない。誰よりも強いことを証明するものでもない。自らの力で自然のなかを歩き、自然から多くのことを学び気づき、自らを成長させることなのだと信じたい。

セクションハイキング

セクションハイキングまたはセクションハイクと言い、トレイルの一定の区間のみを歩くことを指す。セクションハイカーと言うこともあるが、あまり使わない。特に距離や期間は定められてはいないが、ある程度の距離や期間を有する、3日以上の宿泊をと伴う場合に言われることが多い。
そもそも区間分けができるということは、そのトレイルの「端から端」までがしっかりしている。つまり、名のついたトレイルであるということだ。この「端から端」が決まっているトレイルがあるからこそ、セクションという概念が生まれる。
セクションハイキングの良い点は、歩きたいところを最良の時期に合わせて歩けるというところにあるだろう。最良とは自分の時間の取れる時期のことでもあるし、そのセクションの良い季節ということでもある。
一気にスルーハイキングをする場合、基本的には同じ方向に向かって歩くため、実際には季節が早すぎるセクションも出てくるし、遅すぎることもある。これは長距離トレイルの場合、季節を越え長い時間をかけていくため避けられないのだ。しかし、セクションハイキングであれば、歩きたいところを歩きたい季節に歩きたいだけ歩ける、ということになる。素晴らしきことこの上ない。
時間がなくて、体力に自身がなくて、一気にスルーハイキングできないからといって嘆く必要なんてまったくない。一気に歩くことでは知ること、見ることのできないその土地その土地の最良を見つけながらハイキングできるのだから。

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