2025年9月からCalifornia Conservation Corp(CCC:カリフォルニア・コンサベーション・コー)が来日し、みちのく潮風トレイル上のメンテナンスを協働で行いました。
今回はCCCとの協働トレイルメンテナンスから「大船渡市_綾里崎峠④」を詳しくレポートしていきます。
概要
日時:2025年9月25日(木)、9月28日(日)、10月1日(水)
場所:大船渡市_綾里峠
主催:認定NPO法人みちのくトレイルクラブ
共催:一般社団法人大船渡地域戦略
協力:NPO法人信越トレイルクラブ、奥ジャパン株式会社、日本航空株式会社
協賛:さいとう製菓株式会社、大船渡温泉(株式会社海楽荘)
後援:環境省東北地方環境事務所、岩手県、大船渡市、みちのく潮風トレイル関係自治体協議会、三陸ジオパーク推進協議会、三陸鉄道株式会社、株式会社東海新報社、株式会社IBC岩手放送
参加者:ハイカーや地域住民の方々、地元通訳の方々、CCC、上記記載の方々
内容:
9月25日(木) トレイル調査
9月28日(日) トレイルメンテナンス(『Trail Maintenance Meeting 2025』in 大船渡 )
10月1日(水) トレイルメンテナンス
綾里峠とは
綾里峠(綾里街道)は、古くから重要な交易道路で、かつては綾里からこの峠を越えて隣の赤崎村に行く唯一の道路であったため、多くの住民が往来していました。峠道には往時を偲ばせる石碑や古道が今も息づいています。また、周囲は豊かな広葉樹林に囲まれ、新緑や紅葉の美しさは格別です。
2025年、綾里崎周辺の山林で大規模な火災が発生しました。強風の影響で火が広がり、貴重な植生やトレイルの路面、案内看板などが一部焼失しました。2025年6月9日にトレイルは再開され、ハイカーが少しずつ戻ってきています。一方で現在も復旧作業は進められています(2026年2月現在)。
トレイル調査
まずはCCCのメンバーらとともに綾里峠のトレイルを調査しました。
林野火災でどういうことが起こったのかを説明しながら、綾里峠全体を歩いてもらいました。
火災から半年が経過していますが(調査当時)、林野火災の爪痕は生々しく残っています。


至るところに倒木やかかり木があります。
ハイカーの安全性に関わるものも多数ありました。


今回はこの下の写真の場所をメインにメンテンナンスすることとしました。
落葉と土砂が堆積しているためルートが分かりにくく、足元も不安定な状態です。
メンテナンス方法を皆で検討します。


トレイル上の課題とメンテナンス計画
今回は綾里峠の上記の場所をメンテナンスすることとしました。

長年の落葉と土砂に堆積によって、トレイルが不明瞭な状態となっています。
不明瞭なトレイルは道迷いを発生させる可能があります。
また、足元は脛あたりまで落葉が堆積しているため、その下にある石や枝につまずき、ケガを負う可能性もあります。
具体的な課題をまとめると下記の通りです。
- トレイル上に落葉と土砂が堆積している
- トレイルの歩行面が整地されていない
- トレイル自体が不明瞭である
メンテナンスは、次の方針で取組むこととしました。
歩行幅は約100cmほど確保します。
バッグパックを背負ったハイカー同士がすれ違うことができる最小限の幅であり、この幅を確保することによりトレイル外への踏み出しを防止します。

次に草刈りと枝払いを行います。
このときは草が生えておらず、枝もトレイルに干渉していなかったので特に対応はしませんでした。
実際に行うとしたら、草刈りは歩行幅約100cmを基準とします(歩行面から左右30cm程度まで)。なお、谷側の路肩の植生は大きく育つように残します。ハイカーは谷側に寄り「下り法面」の路面を崩す傾向があるので、谷側の路肩の植生を大きくすることで、ハイカーをトレイル内に留め、植生とハイカーの安全を保ちます。

次はトレイルの整地です。
整地は次の手順で進めていきます。
- 歩行幅にある落葉を取り除く
- 歩行幅にある岩や枝を取り除く
- 上り法面を45°以下に削る
- 歩行面は少し谷側に傾斜させるように整地する(トレイルに流れ込んできた水を緩やかに流し浸食を防ぐ)

トレイルは最小限の大きさで、歩きやすい路体を確保することで、ハイカーをトレイル内に留めます。
トレイルにインパクトを集中させることで、周りの自然環境を守るという考え方です。

整地以外にも、ハイカーの安全性に関わると判断される倒木やかかり木の処理も計画しました。
メンテナンス作業とその後の経過
メンテナンス作業は、2025年9月28日(日)、 10月1日(水)の2日間にわたって実施しました。
9月28日(日)については、「『Trail Maintenance Meeting 2025』in 大船渡 」というイベントの中で実施しました。ハイカーや地元住民の方々、多くの企業や自治体・行政の方々にご協力いただいて、一気にメンテナンスを進めることができました。
出発前に簡単な安全講習と道具の説明を行います。



まずはCCCのメンバーによる整地のデモンストレーションを行い、その後作業にとりかかります。
- 歩行幅にある落葉を取り除いた
- 歩行幅にある岩や枝を取り除いた
- 上り法面を45°以下に削った
- 歩行面は少し谷側に傾斜させるように整地した(トレイルに流れ込んできた水を緩やかに流し浸食を防ぐ)


歩行幅もしっかり確保した上で整地をしたので、かなりトレイルが明瞭となりました。
(歩行幅はもう少し狭くてもよかったかもしれません)
これでインパクトをトレイルに集中されることができますし、ハイカーの安全性も確保できると思います。

2025年9月25日

2025年9月28日
安全に関わる倒木やかかり木についても処理を行いました。

まとめ
「CCCとの協働トレイルメンテナンス_大船渡市_綾里峠編④」についてご紹介しました。
今回は林野火災の被害にあった綾里峠で、落葉や土砂に埋もれてしまったトレイルの整地を行いました。地域の方やハイカー、行政や企業の皆さまなど、この道を愛する多くの方々が協力してくださいました。林野火災からの復興を願う皆さんの温かい想いが形になり、より良いトレイルへと生まれ変わりました。
今後も定期的に巡視を続けて、皆さんと一緒にトレイルを守り続けていこうと思います。
記事担当:松川亮太
