2025年9月からCalifornia Conservation Corp(CCC:カリフォルニア・コンサベーション・コー)が来日し、みちのく潮風トレイル上のメンテナンスを協働で行いました。
今回はCCCとの協働トレイルメンテナンスから「釜石市_鍬台峠編①」を詳しくレポートしていきます。
概要
日時:2025年9月18日(木)~9月19日(金)
場所:釜石市_鍬台峠
主催:NPO法人みちのくトレイルクラブ
参加者:CCC、釜石市、大船渡管理官事務所、地元通訳の方々、みちのくトレイルクラブ
内容:
1日目 トレイル調査
2日目 トレイルメンテナンス
トレイル上の課題
ここではトレイル上に川が流れ込んできており、トレイルが寸断されています。
水量もかなり多くトレイル上に水が流れ込んでいるだけでなく、大きな崩落も確認されました。


課題発生の原因
周辺を調査すると、トレイル右側の沢に写真のような暗渠があることが分かりました。さらに調べると、元々は下の図のように暗渠が設置されており、以前は暗渠を通って左から右に流れていたことが分かりました。。暗渠の上流が詰まったことで、川の流れが変わり、トレイル上に水が流れ込んでくるようになったと考えられます。

メンテナンス計画
詰まりを取り除き、川を暗渠に誘導します。同時に、川がトレイルに流れ込まないように堰き止めます。

メンテナンス作業
まずは暗渠の入り口を探し出しました。

暗渠が再び泥で詰まることがないように、腰の高さ以上の穴を掘り、暗渠の入り口をしっかりと確保します。

次に水の流れている方向を確認しながら、どの道筋で誘導するのがよいか検討します。


川を岩で堰き止め、流れを暗渠に誘導します。

川の流れが暗渠に戻ったところで、岩で堰き止めていた上に、さらに土砂で土手をつくっていきます。この作業でトレイル上にほとんど水は流れ込まなくなりました。


川が引きあがった後のトレイル上にできた「ぬかるみ」には、枝を敷くことで「ぬかるみ」が広がるのを防ぎます。

Before→Aftet


まとめ
水の作用は本当に強いので、再び土砂が押し流され暗渠が詰まり、トレイル上に水が流れ込むことは十分考えられます。定期的に観察をしながらメンテナンスを加え、見守っていきたいと思います。

記事担当:松川亮太
