東北地方には12の有人島がありますが、そのうち宮城県の8島(大島/気仙沼市、網地島・田代島・金華山/石巻市、寒風沢島・野々島・桂島/塩竈市、宮戸島/東松島市)はみちのく潮風トレイルのルートに設定されています。ここでは、よく質問をいただく船で渡る島々、塩竈市の浦戸諸島、石巻市の田代島、網地島、そして金華山へのアクセスについてのご紹介、ご提案、離島を歩く上で気を付けて欲しいことを書いていきます。
※島に船で渡る際の共通する注意事項として、その日の海況によっては船が出ない、寄港港が変更になる、などスケジュールを変更せざるを得ない場合があります。各航路の船会社のHP、または窓口などで事前に運航状況を確認することをおすすめします。
※離島セクションでの野営は、田代島のマンガアイランドのテントサイト(下記利用期間厳守)を除いて禁止されています。地域の住民の方のご迷惑にならないよう、厳守をお願いします。
〈田代島 マンガアイランド〉
8区画のテントサイトがあります。
(2024年は4月25日〜10月31日開館、毎週水曜日から日曜日が宿泊可能 / 要予約)
詳しくはこちらからご確認ください。
浦戸諸島
浦戸諸島は、次のように船とハイキングを組み合わせて楽しむルートになっています。
【Hiking Map Book 9-4】
塩竈市 マリンゲート塩竈⇔〈定期船〉⇔桂島⇔〈無料渡船〉⇔野々島⇔〈無料渡船〉⇔寒風沢島(さぶさわじま)⇔〈チャーター船/要予約〉⇔東松島市 宮戸島(あおみな)
・マリンゲート塩竈発の船、島間の渡船については、塩竈市HPに詳しいので参考にしてください。
・島間の無料渡船は、船着き場で電話連絡をして来てもらう、という方式なので時刻表はありません。
※桂島、野々島間の渡船は11月〜3月の日祝日、また12/29〜1/3は島間の渡船すべてが運休となります。
・桂島、寒風沢島にペンション、民宿などの宿泊施設があります。島内で宿泊してゆっくり過ごすのもおすすめです。
寒風沢島〜東松島市宮戸島間の渡船予約について
この航路は、地元の船長さん達のご協力により運行されている、みちのく潮風トレイル専用航路です。定期船ではないため「5日前まで」の予約が必要です。
・地元の船長さんのご協力による漁船での渡船になるので、ご希望の日時で予約出来ない場合もありますので、予めご了承ください。
・ハイキングマップブックでの確認をしていただきたいですが、ひとつの島は長くても4kmほどでほぼ平坦です。寒風沢島から宮戸島への渡船を予約する場合は、ご自身のペースを考慮してスケジュールを立てて乗船時間を決定してください。
・運行期間:4月1日〜10月31日
・運行時間:〈宮戸島発〉9:00/11:00/12:00
〈寒風沢島〉11:00/13:00/15:00
・利用料金:〈大人〉3000円/1名
〈子供〉1000円/1名(中学生未満)
※最小催行人数は1名。
※料金は現金のみです。当日船長さんに現地でお支払いください。
※当日天候によっては運航出来ない場合があります。
・予約方法 (電話のみ)
事前予約制 ※乗船希望の「5日前まで」に予約が必要です。
1.氏名 2.携帯電話番号 3.乗船日時 4.乗船場所 5.乗船人数
を予約時にお伝え下さい。
予約窓口:みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター
電話:022−398−6181
受付時間:9:00〜16:00(毎週火曜日は休館日)
渡船については、みちのくトレイルクラブHPにも記載がありますので参考にしてください。
田代島、網地島
田代島、網地島は次のように船とハイキングを組み合わせて楽しむルートです。
【Hiking Map Book 8-6、7】
石巻中央港⇔田代島大泊(おおどまり)港⇔ハイキング⇔田代島仁斗田(にとだ)港⇔網地島ライン(定期船)⇔網地島網地(あじ)港⇔ハイキング⇔網地島長渡(ふたわたし)港⇔網地島ライン(定期船) 鮎川港、もしくは石巻中央港
田代島、網地島には「網地島ライン」を利用して渡ります。
網地島ラインHPには運行ダイヤだけではなく、運行情報、注意点なども記載されていますので、ぜひ事前にご確認ください。
※ハイキングマップブックNo.8巻末に記載されている網地島ライン運行ダイヤは参考例です。歩く際は網地島ラインHPで最新のダイヤをご確認ください。
・海況、また潮汐によっては寄港港が変更になることがありますので、事前の情報収集をおすすめします。寄港港が島の片側だけになった場合はルートを往復することになりますので、スケジュール管理には十分気をつけてください。
・GWなどは田代島への観光客で船が満席になる場合もあります。余裕をもった計画をおすすめします。
・ガスボンベ、燃料用アルコールは危険物として客室内への持ち込みが禁止されています。持ち込む場合は職員の方に申告してください。別途料金が掛かります。
※便によっては燃料等危険物を持ち込めない場合がありますのでご注意ください。
・網地島、田代島には宿泊施設もあります。島内で宿泊してゆっくり過ごすのもおすすめです。
金華山
ルートを歩くのに2時間半から3時間を必要とするのに対し、定期便は神社参拝が主目的であるため、島の滞在時間は通常1時間半になります。
そのためにアクセス的難路と言われがちな金華山セクションですが、霊験あらたかと言われる金華山黄金山神社を擁し、ニホンジカやニホンザルが生息し、巨木や奇木もあり、自然や風景の見どころがたくさんあって、ぜひ一度は歩いてほしい楽しいセクションです。
【Hiking Map Book 8-5】
以下、時間的に余裕を持って金華山のトレイルルートを歩くことが出来る、いくつかのパターンをご提案します。(順不同)
・お正月や例大祭など祭日の増便を利用して歩く
祭日は鮎川港からも女川港からも増便がありますので、朝早い便で島に渡れば余裕を持ってルートを歩くことが出来ます。各船会社のHPでご確認ください。
・女川港からの臨時便を利用して歩く
日曜日の定期便はやはり1時間半ほどの滞在ですが、島に3時間ほど滞在できる臨時便が出ているので、株式会社潮プランニングHPより確認してみてください。
・金華山黄金山神社に参籠(おこもり)して歩く
行きは女川港からの臨時便、鮎川港からの海上タクシーなどを利用して、金華山黄金山神社の参集殿で一泊、金華山でゆっくり過ごすのもおすすめです。
夕食、朝食付きで、翌朝一番大護摩祈祷も含み一泊12,000円より、となっています。
・鮎川港からの船で歩く
鮎川港発の定期便は通常日曜日のみですが、令和6年7月末日までは金曜日・土曜日・月曜日も同じ時刻にて運航しています。
上記の参籠(おこもり)するのにも、この期間中の増便は助かりますね。
また、海上タクシーをチャーターすることも可能です。海上タクシーについては船会社に直接お問い合わせください。
海上タクシーシードリーム(シードリーム金華山汽船株式会社):0120-14-1055
遊覧船なべちゃん:090-7074-7717(船長直通)
海上タクシー くろしお(株式会社金華山観光):0120-489-918
金華山航路事業協同組合: 0225-44-1850
また、一般社団法人石巻観光協会HPでもわかりやすく紹介があるので、こちらもご確認ください。
・鮎川港発、女川港着の定期便を組み合わせて歩く
かなりイレギュラーな方法なので積極的におすすめするものではありませんが、こんな方法を考えて金華山を歩いたハイカーもいますのでご紹介します。
鮎川港から定期便10時30分発に乗り10時50分に金華山着、女川港に戻る定期便が13時30分金華山発なので、この間の2時間40分でトレイルルートを歩く、というものです。運賃についてはそれぞれの船会社に相談が必要です。
金華山は豊かな自然や風景を楽しめる地ではありますが、由緒ある金華山黄金山神社が祀られる信仰の島でもあります。トレイルルートを歩く時に、東奥三大霊場と言われるこの地で修行した修験者の方たちに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
また、国立公園エリアであるとともに霊島でもありますので、金華山にあるものは決して島の外に持ち出さないようにお願いします。
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以上、離島セクションへのアクセス、注意事項をまとめました。
離島セクションは、船を使うことで時間的に制約を受ける側面もありますが、船に乗ることで一味違う旅感を味わうことが出来ますし、島ならではのゆったりした空気感を味わえる魅力的なセクションです。みちのく潮風トレイルらしい、海を身近に感じられるルートになっていますので、ぜひ歩いてみてください。
ご不明な点などあれば、名取トレイルセンターまでお気軽にお問い合わせください。
〈みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター Tel:022-398-6121〉