イベントレポート

「ふくしま浜街道トレイル」怒涛のモニターツアー月間 第一弾・大熊町~富岡町~楢葉町を歩く

2022/12/22 みちのくトレイルクラブ
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12月10日から11日にかけて、ふくしま浜街道トレイルのモニターツアーを実施してきました。今月はモニターツアーの怒涛ラッシュで、今回は全三回のうちの一回目です。初日に大野駅から富岡駅まで、二日目に富岡駅から木戸駅まで、どちらも約15kmの道のりでした。ここでは簡単に写真を添えて両日のご報告をいたします。

1日目 大野駅→大川原地区→linkる大熊→夜の森地区→カフェY→とみおかワインドメーヌ→富岡駅

大野駅周辺(初日のスタート地点)

避難区域が解除された令和2年以降、駅近の商店街は急ピッチに取り壊しが進んだそうです。近くにはまだバリケードが残っているところもありました。

震災当時のままのコインランドリー

言葉が出なくなった瞬間でした。

参加者の方が即興でご案内!

2014年に福島に移住してきた方が、地域で大切にされているお墓の説明をしてくださいました。ルートから少し外れた小高い山の上への寄り道。嬉しいハプニングでした。

未来のトレイルエンジェル?

自宅の庭で畑アートを楽しんでいるお宅。人を楽しませるのが大好きなのだそうです。大熊町の立ち止まりスポットになるかもしれませんね。

夜の森駅

ここで夜の森駅を私財を投じて建設したと言われる丹野芳蔵翁のお孫さんに出会いました。一時避難中のいわき市から毎週来られ、ボランティアで丹野翁顕彰碑の掃除と駅周りの美化活動をされているそうです。夜の森地区は桜並木で有名ですね。

カフェYさん

ご厚意でコーヒーや紅茶などを頂きました。ボトルの詰め替えもいいよと、何から何まで親切にしてくださいました。

とみおかワインドメーヌさん

「ワインを富岡町の新しい顔にする」と熱いお話を伺いました。ワインドメーヌさんは海に面した高台でブドウ栽培を行っており、潮風などの厳しい環境の中で育つブドウは「皮が厚くなって香りが増す」のだそうです。とても印象に残った言葉でした。

一日目終了。この日は天気も良く、最高のハイキング日和でした。参加者の皆様も出会った時から和気あいあいとされて、とてもいい雰囲気の中ハイキングを楽しめたのではないでしょうか。ただ翌日が心配。予報雨風速7m。

2日目 富岡駅→太田公園→波倉海岸→なら福→堤防と路地→展望の宿→kashiwaya

富岡駅周辺

初日に訪れたワインドメーヌさんのブドウの木がこの周辺に7,000本以上植えられる計画だそうです。ブドウの薫風漂うトレイルって考えるだけで最高。

波倉海岸

予定より時間が早かったので、寄り道で波倉海岸の断崖へ。断崖の大きさに圧倒されました。ルート上にはありませんが、すぐ行けるので少し立ち寄ってみるのもおすすめです。

なら福さん

こんなに豪華なお食事をいただきました。店内はお客さんでいっぱいで、昼時の憩いの場所になっています。

一列でしか歩けない堤防と路地から見える海

一列の堤防を過ぎると、昔の風情が残る路地裏に出ました。そこから見える海がとてもきれいで。

天神岬

キャンプ場や温泉が併設している天神岬。太平洋の絶景は最高です。宿の支配人のおもしろトークは旅人を癒しますね。ゆずの入った飲み物とアイスを頂きました。

kashiwayaさん

旅館をリノベーションしてシェアハウス兼レストランとなったkashiwayaさん。農業やイベントなど、面白いことをやってみようと県外県内の若者が集まる拠点施設にもなっていました。

こうして二日目が終了しました。この日は雨と風でとても寒い日となりましたが、ハイキング自体は大成功。皆様の熱気で、途中から寒いことを忘れていましたね。

二日間を終えて

二日間にわたり、とても充実したモニターツアーができました。もちろん震災や原発の影響は陰に陽に感じます。人の心にいつまでも残り続けるものだとも思います。でもこの現実を受け止めたうえで、じゃあ何をやろうかと前向きに考えている人たちがたくさんいて、それぞれのスピードで動き出していました。

また今回はみちのく潮風トレイルを歩いた方々の参加者が多く、自然とトレイルの魅力を地域の方々に伝えてくださっているのを拝見してとても嬉しくなりました。もちろん個々に何を話していたかは分かりませんが、いろんなところで種をまいてくださっているのは有難い限りです。

モニターツアーに参加してくださった方々、また私たちを受け入れてくださった地域の皆様、本当にありがとうございました。ふくしま浜街道トレイル絶対に成功させましょうね! 【第二段に続く】

著者 : みちのくトレイルクラブ

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